2012
12/29
土
既存の軽自動車では全長と横幅を目一杯使い切ってしまっているので、どうにかしてこれ以上広く出来ないかと考えたところ、残された上方向に拡大してみたのが初代タントだ。これが2003年のことである。

デビュー当初は極限までに実用性を重視し、見た目も見慣れない(ダサい)スタイリングだったので車好きからは「本当に売れるのか?」と疑問視されたが、地方都市などでセカンドカーとしての需要がある主婦層からの絶大な支持を受け大ヒットとなった。既存のムーヴよりも大きいパッケージングは、特に買い物や子供の送り迎え等で重宝された形だ。軽自動車で最も室内空間が広かったのは軽1BOXと呼ばれる箱型の軽自動車だったが、1BOXタイプではエンジンを座席したかあるいはリアに配置していたため、整備の際に効率が悪かった。その点この手のハイトワゴンでは独立したボンネット内にエンジンを搭載しているので、他の軽と同じようにメンテナンスが用意でかつ1BOXに匹敵する室内空間を確保している。
タントがヒットした後にはムーヴカスタムに相当するタントカスタムも2005年に追加投入され、見た目がかなり良くなった。この間、軽新ジャンルはダイハツの独壇場だった。

その後ダイハツのタントがヒットしたのを横目にライバルのスズキも同じようなモデルを投入した。これが2008年。ちょうど初代ワゴンRで、新ジャンルを確立しダイハツがそれに対抗した時と真逆の現象だ。それがパレットでこちらも背の高いスタイリングが特徴。

もちろんスズキもカスタムモデルを後に追加投入している。名前はパレットSWで、ワゴンRスティングレーのような直線基調のヘッドライトとグリルが特徴だ。

そして長らく軽自動車業界で影が薄くなっていたホンダもNシリーズの第1弾としてハイトワゴンをラインナップした。

N BOXおよびN BOXカスタムはNシリーズ大ヒットの火付け役となり、その後のホンダ軽復活の大きな足がかりとなった。
さらには三菱&日産の合弁会社からも同じようなハイトワゴン(デイズルークス)がラインナップされ、ハイトワゴンの世界では全社がモデルを展開する成熟した市場へと変化している。

軽自動車のハイトワゴン(トールワゴン)は、実用性の高い車種だがライバルとの競争により室内空間だけでなく見た目も安全装備も普通車顔負けの構成となっている。当然ながら値段もカスタムグレードではかなり高くなってしまうが、普通車より広い室内空間と安い維持費は地方においてはかなり魅力的な車種だ。ここまでざっくりと紹介したが次のページでは旧(絶版)モデルから現行まで車種やグレード別に詳細を解説する。
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AFTER「スズキ パレット(MK21S型)」
BEFORE「スポーツタイプ 軽自動車。」
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