
2002年12月にフルモデルチェンジし、6代目となったミラ。新規格から数えて2回目のフルモデルチェンジではハッチバック型でありながら全高が先代よりも75mmもアップし、「背の低いムーヴ」という表現が数多く聞かれた。6打目ミラはワゴンタイプであるムーブ寄りのモデルチェンジとなっている。
6代目では外観からも想像がつくようにプラットフォームを一新(3代目ムーヴのプラットフォームを適用)。初代ミラの基本コンセプトである「広々空間&小粋なスタイル」を受け継ぎながら軽乗用車の本質である「高い経済性&高い実用性」に加えて「クラスを超えた高品質・高性能」を実現した革新的なパッケージングとなった。
ボディサイズは5代目の全長3395×全幅1475×全高1425mmから全長3395×全幅1475×全高1500mmと上述のとおり上方向に高さが75mmアップ。全長と全幅は5代目と変わらないものの室内空間は室内長1720×室内幅1220×室内高1180mmから1895×1300×1250mmへと拡大。室内長と全高に至っては100mm以上もの大幅拡大となった。これにより室内空間は飛躍的にアップ。ムーヴのようなゆったり広々とした居住空間を確保している。
インテリアも新プラットフォームに相応しくそれまでのデザインを一新。シンプルでありながら上質感を感じるデザインが与えられた。特にインパネは面構成とウェーブデザインで親しみやすい雰囲気を与えている。
エンジンは従来どおりのEF-SE型直列3気筒SOHC自然吸気エンジンとEF-VE型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンに上級モデルの「AVY(アヴィ)」にはEF-DET型直列3気筒DOHCインタークーラー付ターボエンジンの3種類に加えて、EF-VE型を直噴化したEF-VD型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンを設定。このエンジンとアイドリングストップ機構を組み合わせることにより、ミラVグレードの5MTのFFで30.5km(10.5モード)を達成した。

フロントデザイン。先代をイメージさせるような台形型のヘッドライトを装備。非常にオーソドックスで誰からも受け入れやすいデザインだ。乗用タイプと商用タイプでは外観は同じ。

なお、乗用モデル上級グレードの「X」グレードではメッキグリルを装着し、ちょっとだけオシャレな外観となる。

商用モデルのサイド。ミラバンでは3ドアのみの設定。横から見るとボンネット部分が少し狭くなり、全高がアップしたのがわかる。先代は1425mmだったのが6代目では1500mmになっている。ボンネットを切り詰めたのと天井が高くなったことで乗った時にかなり広く感じる。ミラバンではドアハンドル、ドアミラーは非塗装タイプ。

乗用モデルのサイド。ミラバンと異なり、乗用モデルでは独立した後部座席を持つ5ドアとミラバンと同じ3ドアの2種類を設定。廉価グレード(Lグレード)ではミラバンと同じくドアハンドルとドアミラーが非塗装だが、ミドルグレード以上(DグレードとXグレード)ではドアハンドルとドアミラーがカラータイプとなり、ドアミラーも電動格納式ミラーに。リアガラスもスモークタイプとなる。

※こちらは先代モデル

足元は乗用モデルのLグレードとDグレードが12インチフルホイールキャップ。

上級のXグレードでは13インチフルホイールキャップ。バンタイプではホイールキャップなしのスチールホイールのみとなる。

コンビランプは同年代のムーブに似たようなデザイン。先代からはかなりのデザインチェンジなので新鮮に感じる。

特に斜め後ろからの眺めは「背の低いムーヴ」という表現がうなずけるぐらい似ている。

エンジンはEF型、3気筒のNAのみの設定で直列3気筒SOHCと可変バルブタイミング機構(DVVT)付きDOHC、軽初の直噴DOHCの計3種。バンや乗用モデルのLグレードにはEF型直列3気筒SOHC自然吸気エンジンを搭載。最高出力は48ps(35kW)/6400rpm、最大トルクは5.7kg・m(56N・m)/4800rpm。

乗用モデルの上級グレード、XグレードにはEF型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンを搭載。最高出力は、58ps(43kW)/7600rpm、最大トルクは6.5kg・m(64N・m)/4000rpm。

乗用モデルのVグレードではEF-VE型を直噴化したEF-VD型直列3気筒DOHC自然吸気エンジンを搭載。最高出力は60ps(44kW)/7600rpm、最大トルクは6.6kg・m(65N・m)/4000rpm。このVグレードのみ5MTにFFのみという硬派な設定ながらアイドリングストップ機構と組わせることで当時のミラとしては驚異的な30.5km/L(10.5モード)の低燃費を達成した。先代にあったターボモデルはミラアヴィに設定されている。トランスミッションはCVT(最上級のXグレードのみ)、3AT、4ATあるいは5MTのいずれかで、駆動方式はFFまたは4WD。アルト同様、乗用モデルと商用モデル(バンタイプ)を用意する。

インパネ。基本はブラック系のカラーを中心とした商用モデルのようなデザイン。これは乗用タイプのインパネで、

乗用タイプのスピードメーターは背景がブルータイプ。

商用タイプのインパネ。後期型では乗用モデルでデザイン変更がなされるが、前期型では乗用モデルとほぼ同じデザイン。オーディオパネル付近がわずかに違う程度となっている(商用モデルはセンターのエアコン吹き出し口上にAMラジオ。乗用モデルはこの部分は収納スペースで、オーディオはエアコン操作部の下にくる)。

スピードメーターは完全ブラックタイプ。まさに商用モデルといった感じだ。

乗用モデル、商用モデル共にフロントシートはセパレートタイプ。乗用モデルでは濃いブルー系のシートにドアトリムクロスも同色。

一方商用モデルのシートはいかにも質素で貧弱そうなシート。軽ワンボックスの商用モデルのようなシートだ。商用モデルではドアトリムクロスは無い。

乗用タイプのリアシート。ヘッドレストは無い。

バンタイプのリアシート。乗用タイプよりさらに質素になっている。後部座席での長時間乗車はかなりつらそうだ。ここらへんはアルトと同じで4名乗車よりは普段は1~2名がメイン。もしかしたら+2名と考えたほうが良いだろう。ちなみにこの6代目までミラバンには「2シーター」という完全2名乗車の貨物グレードがあり、このグレードのみ乗車定員が2名となる。2シーターグレードで後部座席が付いていても4人乗ると法律違反となるのでこの点は要注意。


乗用モデルのラゲッジルーム。

商用モデルのラゲッジルーム。商用モデル(3ドア車)では荷物を乗せることを前提にリアシートを倒さずともラゲッジスペースが広く取られている。
6代目ミラは、先代よりも室内空間がアップし快適さが増したモデルとなっている。ライバルはスズキの6代目アルトになるがデザインのスタイリッシュ感でいえばミラに軍配がありそうだ。ただ、現行のミライースに燃費でどうしても劣ってしまうので、ガソリン代がきになる場合は思い切って新車のミライースを買ったほうが良い。軽自動車の中古は需要(維持費の安さ)の面から年式が古く、走行距離が多くても高い場合が多いため、その観点から見れば新車で低燃費や自動ブレーキなど付加価値があるほうが無難である。それでもデザイン性や、安価という点では魅力的な部分があるためそういった需要であれば6代目ミラでも良いのかもしれない。特に後期型では外観と内装がリフレッシュされ、ちょっとだけ上級なイメージに変化したので、買うのなら後期型がオススメだ。
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COMMENT
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No.39 No title
ご指摘ありがとうございます。アルトの内装と1枚混じってましたね。
投稿者:さすらいのクラ吹き 2014/07/29 (火) 20:49
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No.60
この代のミラが好きなので、未だに乗ってます
投稿者:悪魔のミラ 2016/02/14 (日) 14:09
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No.61 最後の保守的なミラ
悪魔のミラさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
この6代目L250系ミラは5代目よりもボディサイズがひと回り大きくなり室内空間が飛躍的に拡大しました。外観も先代のイメージを残しつつボディに合わせた台形のヘッドライトなどベーシック感と新規性の調和の取れたデザインだと思います。この後出た7代目ではデザインがかなりかけ離れましたので、旧来のベーシックな感じが好みの人にとってはやはりこの6代目になりますね。ただ、よく売れる車種&足車として人気があり地方都市ではアルトと同様に非常に多く見かける1台です。特にホワイト系は他人と被る確立が高いのがちょっと難点でしょうかね。投稿者:さすらいのクラ吹き 2016/02/14 (日) 17:38
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No.107
間違った文面があったので指摘させていただきますね。
商用タイプのインパネでは操作パネルがあるセンターパネル部分がブルー系に着色され、>画像で青く見えるだけで黒いままですよ。
バンタイプのリアシート。4名乗車よりは普段は1~2名がメイン。>もともと2人乗りですよ。車検証の乗車定員も2名になっています。なのでリヤシート(のような物)に人を乗せると違反になります。
以上、参考になれば幸いです。投稿者:L250Vミラバン乗り 2017/02/19 (日) 07:39
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No.108 Re: タイトルなし
L250Vミラバン乗りさん、はじめましてこんにちは。ご指摘ありがとうございます。
インパネの件、どうやらその通りのようでオーディオパネル付近の色は関係ないようですね。
あと、バンタイプの乗車定員についてですが、ご指摘くださったのは「2シーター」グレードのことでしょうか?これだと確かに2名乗車オンリーで、4名乗ると法律違反となるみたいです。2シーター以外のグレード(AグレードとUグレード)はバンタイプでも4名乗車可能なようですが...投稿者:さすらいのクラ吹き 2017/02/19 (日) 16:16
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No.109
大変申し訳ありません。
バンタイプに2シーター以外のグレードがあることを知りませんでした(汗)
おっしゃる通り当方の車両が2シーターだっただけのことのようです。
逆に4人乗りとの違いが知りたくなってきました!投稿者:L250Vミラバン乗り 2017/02/20 (月) 02:24
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No.110 Re: タイトルなし
いえいえ。こちらこそです。ご指摘は大変ありがたいので、もし他にも見つけましたら気軽にコメントください(本記事の該当部分は修正しました)。
ミラバンについては僕もほとんどわからないのですが、ネットで調べた限りでは2シーターグレードでも後部座席あったり無かったりのようで、完全な貨物仕様なのかちょっとわかりませんでした。4人乗りのAやUグレードでは2シーターと同じ後部座席にシートベルトもあったので、この点が違う部分でしょうか。足元の狭さはかわりませんが。
ちなみにこのあとの7代目ミラバンでは2シーターの設定がなく、ライバルのアルトバンも1998年10月の5代目・前期型までのみで、以後は設定が無いようです。投稿者:さすらいのクラ吹き 2017/02/20 (月) 22:28
No.38 No title
アルトの写真一枚混じってない?