2014
07/13
日

1991年11月登場のダイハツ・リーザスパイダー。軽のオープンカーというと現行ではダイハツのコペンが有名で、バブル時代は軽自動車ABCとよばれたマツダのAZ-1、ホンダのBEAT、スズキのカプチーノが思いつく。この有名な御三家ABCにはダイハツが入っていないのだが実は作っていたのだ。それがこのリーザスパイダーである。
ライバルのスズキ、エンジンのホンダ、プラットフォームはOEMながらボディを専用設計するマツダオートザムに影響されダイハツも軽オープンの販売を計画。当時のミラの派生車種として誕生したリーザをベースに作られたのがこのリーザスパイダーである。リーザはもともと3ドアハッチバックだったが、屋根から後部にかけての部分をぶった切ってオープン仕様へ。なんだか工業高校の自動車科が実習で作りそうなやり方だ。元々専用設計されたものではなかっため、トランクルームが無いなどかなり実用性の低い仕様となっていた。この手の最後発で登場させた「スバル・ヴィヴィオ タルガトップ」とは大違いである。

こちらはベースとなったダイハツ・リーザ。ハッチバックの部分がないだけで、基本的にボディは同じだ。

フロントデザイン。基本的にリーザがベースなのでフロントからは特段の違いは無い。ボンネットにはリーザのターボ用エアダクトが備わり、ノーマルとの違いを演出。ヘッドライトを除けば同年代の3代目ミラ・TR-XXに似たデザインである。

サイド。ここからがスパイダー仕様となり、ベースのリーザに対しルーフから後ろを大胆にもカット。3ドアハッチバックから2ドアのスパイダーに生まれ変わった。幌はそれまで後部座席&ラゲッジルームだったところを格納スペースに。このため座席より後ろの収納スペースが無くなっている。この他、スパイダー専用のデカールがサイドに付く。

幌は手動式。リアのコンビランプも同年代のミラに似ている。
エンジンはEF型の直列3気筒SOHC12バルブインタークーラー付きターボエンジンのみの設定で最高出力は64ps(47kW)/7500rpm、最大トルクは9.4kg・m(92.2N・m)/4000rpmを発生する。これに組み合わされるのは3ATまたは5MTで駆動方式はFFのみ。車重は730kgなので一個前のコペン(830kg)と比べると100kgも軽量だ。

インパネ。内装は当時の軽自動車としてはかなり力が入っていて、ダイハツ伝統のモモステ(本革)、シートには人工皮革のバケットタイプを標準装備。

これは幌をしまった状態。
リーザスパイダーは、デビュー当時ダイハツ初の軽オープンとして登場した車だ。初代コペンと比べると100kg軽量な分は加速やブレーキングで差が出るので、コペンには無いライトウェイトの面白さがあるだろう。ただ、ライバルのカプチーノやビートが男性向けのスポーツカーとして販売されたのに対し、リーザスパイダーは女性をターゲットしたスペシャリティカー的な車だった。当時の車好きの男性はカプチーノやビートを買ったのだが、趣味性の高いリーザスパイダーは(形状的にイマイチなデザインも相まって)それほど売れず、タマ数はカプチーノやビートと比べるとかなり少ない(ネット上の話では生産台数が400台にも到達していないとの話)。さらにそのマニュアルモデルとなると余計に希少だ。もし探すとなると困難を極めるだろう。
なお、今回画像の利用を許可していただいた目白自動車さんでは、このリーザスパイダーを1台扱っている(2014年7月13日現在)。それもとても希少なマニュアル仕様で、H3年式の走行距離はまもなく5万キロというかなりいい状態。気になった方は是非ともチェッして欲しい。
スポンサーサイト
MESSAGE
TRACKBACK
メーカー別車種一覧
COMMENT