2013
06/16
日

ピノが登場したのは2007年1月。日産との完成車の相互供給に関する提携強化策の一環で、アルトのOEM供給が行われた。

ベースとの大きな変更点はフロントグリルで、日産仕様のオリジナルのものに変更されている。スズキ版では前期がヘッドライト横にウィンカー球が付いていたが、日産版ではヘッドライト下に移動。一般的にはフォグランプが付く部分にウィンカー球が付いている。グリルとバンパー開口部のデザインははスズキ版とも同じくOEMモデルで兄弟車であるマツダ・キャロルとも違うデザインで、日産らしさを表現している。

ハッチバック型といことで背は低い。腰高感はないだろう。

リアもエンブレムが違う以外はベースと同じ。テールランプに面白みがないがコスト重視の軽なのでそこは仕方ないだろう。
エンジンはNAの3気筒のみで、トランスミッションは4ATまたはグレードにより3ATor5MTとなっている。駆動方式はFFか4WD。この代からスポーツモデルであるワークスが消滅し、ターボエンジンを搭載したグレードはない。ターゲットが女性ということでこの点も仕方ないだろう。なお、キャロルと同じく商用のバンタイプは存在しない。

インパネ。ベースのアルトと日産マーク以外は同じ。丸型の通風口を多く用いたことで最近風のデザインとなっており、質感こそプラスチック満載だが、それ以前のアルトに比べればぱっと見はそこまでチープに感じない。

ちなみにこちらは希少な5MTの写真。

ベースの6代目アルト同様にスピードメーターにタコメーターは付いていない。

フロントシートはセパレートタイプ。

リアシート。ワゴンRなどのワゴン型と比べると後部座席の作りが安っぽく、長時間の移動には辛い。ただこの車自体は街乗り中心となるのでその点は特に問題ないだろうか。基本は2名乗車でたまに後ろに乗ると考えたほうが良さそうだ。ヘッドレストは乗用モデルといえどつかない。

ラゲッジルーム。

リアは倒せば意外と広い。
ピノはスズキ・アルトとマツダ・キャロルの間に埋もれた兄弟車である。販売台数はこの2台に及ばずあまり売れていなかった。当然中古市場でも人気はなく、高年式・低走行の割に安価で購入できるだろう。現行のアルトと比べると4ATという点で加速の面や燃費で劣ってしまうが安価な軽であることを考えると、そこはトレードオフだろうか。街乗りで高年式・低走行・安価を求めているなら、選択肢のひとつとなるだろう。
なお、ピノは2007年1月にOEM供給がスタートしたが、2010年の1月にカタログラインナップから削除される形でひっそりと販売を終了した。アルトが7代目へフルモデルチェンジしても旧型を保ったまま生産されていた軽自動車だ。デビュー当初は日産でも珍しいコンパクトな軽自動車だった。アルトはもちろん兄弟車のキャロルよりもタマ数が少ないのである意味希少車である。
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BEFORE「スズキ ワゴンR・スティングレー(3代目・前期型 MH34S型)」
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